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在宅医療ステーション

在宅医療の選び方

1. まず距離が大切

在宅医療は、訪問診療を担当する医療機関が近ければ近いほど、受ける事ができる医療水準が高いと考えて差し支えないと思います。それは定期的な訪問診療以外に、いざという緊急時にかけつけてくれる可能性が高いからです。大まかに、自動車で30分以内に到着できる医療機関を探すのが理想です。そのように意味で、まず在宅医療ステーションでは検索のめやすの円を在宅医療を受ける住所地から2キロで描きました。

しかし調べてみると大都市では、在宅医が非常に見つかりやすい傾向がありますが、地方都市や過疎地では、在宅医を見つけることが困難なことが多いのも事実です。しかし、在宅医療を受けるために住み慣れた場所を移動することはできませんので、在宅からの距離を少しずつ広げていきながら、16キロの範囲(在宅医療として診療報酬が算定できる限界距離)で探してみてください。

16キロ範囲内で見つからない場合は、特例措置もあります。その場合は、最寄りの役所や地域ケアプラザ、ケアマネージャーなどに諦めずに相談してみてください。

全国隅々で在宅医療を受けることができるような時代になることを心から願っていますし、そのために「在宅医療ステーション」は在宅医療を応援していこうと考えています。

2. 在宅医療機関の探し方

①インターネット「在宅医療ステーション」で検索する

「在宅医療ステーション」では、全国のすべての在宅療養支援診療所の基本情報が網羅されています。まずは、郵便番号と番地で最寄りの在宅療養支援診療所を探してみてください。それが第一歩となるでしょう。

なお、診療所との距離の目安になる円は、なるべく近い診療所から探すという観点から、在宅から半径2キロに設定されていますが、在宅医療に訪問できる距離の限界は直線距離で16キロと定められています。これは患者の急変に対応できるように決められた限界距離で、16キロを超えると訪問診療として診療報酬が算定できない仕組みです。ただし、離島などの場合は例外が認められていますから、16キロ圏内に在宅療養診療所を見つけることができない場合は、最寄りの役所や地域包括センター、あるいはケアマネージャーにご相談ください。

もちろん、リストで探した上で、必ず電話で問い合わせた上で、面談の約束をもらい、診療所を実際に訪問して、直接、相談することは大前提です。充分に相談した上で、在宅医療を担当する医療機関を選んでください。

②今まで通院してきた開業医・病院に聞く

今まで開業医や病院に通院している場合、その医療機関が実は在宅医療を行なっていたという場合もあります。

近くの開業医に、たとえば10年も20年も30年も長期にわたってかかっているなら、その医師は患者のことが他のどの医師よりも分かっているはずです。もし可能であれば、その先生に続けてかかりたいと思います。その医師が往診してくれるかどうかを訪ねてみてください。その医師が難しければ、気心のしれた近隣の訪問医師を紹介してくれるかもしれません。

また病院に通院しているときは、地域連携室に行くのではなく、まず、その主治医の医師に相談してください。内科の医師以外でも、整形外科でも皮膚科でもいいと思います。ご本人が長らく通院しているのであれば、やはりご本人のことを一番理解している医師のはずですから、親身になって、近隣の訪問医師を紹介してくれるかもしれません。その時は紹介状もお願いしましょう。

③周辺地域の地域包括支援センターなどに相談する

周辺地域には、さまざまな支援機関があります。
たとえば、

1.
地域包括支援センター
2.
市役所の介護保険担当窓口
3.
居宅介護支援事業者(ケアマネジャー)
4.
訪問看護ステーション
5.
在宅介護支援センター(老人介護支援センター)
6.
保健所
7.
医師会

これらの窓口を訪れ、自宅近隣に在宅医療を行う医師がいるかどうかを聞くことができます。訪問看護ステーションは、実際に在宅医療を行なっている訪問医師の指示のもとに、在宅への訪問看護を行なっていますから、リアルな情報を得ることができるかもしれません。

④入院先の医療連携室から探す

在宅医療ステーションで、最寄りの在宅療養診療所のリストを探した上で、病院の「医療連携室」「相談室」に「退院後は、在宅医療を受けたい」と相談してみてください。

退院してから訪問医師を探すのではなく、入院中できる限り早く、相談を始めるといいと思います。病院には、たいてい、「医療連携室」「相談室」という部屋があります。まずは、そこを訪れることをお勧めします。

このような窓口には、通常、「医療ソーシャルワーカー」という専門職がいます。在宅医療を行う医師を紹介したりすることも、「医療ソーシャルワーカー」の大切な仕事のはずです。ただし、対応は病院によってまちまちですから、うまく進まない場合は、すばやく別の方法も試しましょう。

3. 在宅医療機関への相談方法

最寄りの在宅医療を選んだ後は、在宅医療機関と訪問診療について双方が合意しなければいけません。そのための相談方法についてです。

①家族だけでも脚を運ぶ

当然のこととして、まず、その医師のところに出向いてください。本人は難しいでしょうから、家族だけでも必ず、直接相対して相談することをお勧めします。医師の考え方、お人柄などに触れることは信頼関係の第一歩です。その上で、判断しましょう。

②今までの「かかりつけ医」の診療情報提供書を持参する

相談時に、「診療情報提供書」(いわいる紹介状)を持参してください。家族もご本人の状況を説明しますが、医師同士の情報交換も極めて大切です。診療情報提供書には、今までの治療経過や服薬情報が記載されています。複数の医療機関にかかっていたのであれば、それぞれ準備して持参することが望ましいです。さらに、具体的に相談に行く医師の名前が分かっているのであれば、その医師の名指しの紹介状があるとよいかもしれません。紹介する医師の知り合いだったり、医学部が同じだったりなどと関連があると、より親身になって相談に乗ってくれるかもしれません。

③退院前に相談に行きましょう

入院中に在宅医療を行ってくれそうな先生が見つかった場合、退院を待たずに相談に行きましょう。退院までに準備するもの、準備することなどを訪問医師が相談に乗ってくれます。場合によって退院時のカンファレンス(情報交換の場)に参加してくれる医師もいます。一方、特殊な病気の場合(たとえば特定疾患)、相談に行ったときに医師が断るかもしれません。そうするとまた別の医師を探さなくてはならないかもしれません。

4. 在宅医と病院の関係

現在の病院の通院を必ずしもやめる必要はありません。たとえば、三ヶ月あるいは半年に一回ずつでも病院にかかりながら、それと並行して在宅医療を受けることもできます。そうすれば入院が必要なときには、もともとかかっていた病院に入院することもできます。この点は、訪問診療の担当医師とよく相談しましょう。

5. 薬局の統合

在宅医療をうけながら病院への通院・専門医受診などを並行して行うときでも、よほどの専門的な場合を除いて、薬は頻回に診ている在宅医に処方してもらうとよいでしょう。回数を多く診る訪問医師のほうが患者の状態の変化に柔軟に対応し、薬を調整できるからです。

また薬は、処方箋があればどこの調剤薬局でも出してもらえますが、在宅医療の場合、処方箋は一カ所の薬局にまとめて全体の薬剤を管理してもらうようにしましょう。薬剤管理は、訪問医師の指導の元で行なわれます。朝昼晩の薬を間違えないように一袋にまとめたり、残薬の管理をしたり、複数の医療機関からの薬の相互作用や重複をチェックしたりと薬の説明や服薬指導をしたりと、薬剤師として在宅医療をサポートしてくれます。

総合的な薬剤管理をした場合は、在宅患者訪問薬剤指導料が必要で、1回500円となります。

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