在宅医療ステーションは全国の在宅医療検索サイトです。

在宅医療ステーション

Q&A

(仮)在宅医療について

Q1.どんな場合に、在宅医療を受けることができるのですか?

まず定期的に病院や診療所へ出向いて外来で受診することが難しくなった場合です。たとえば歩いたりバスに乗ったりして病院へ行く事が物理的に難しくなったり、身体的には元気でも、物忘れが進んで通院が困難になる場合もあります。

次に、病院で長期間過ごすことはやめて(あるいは病院で長期間過ごすことができなくなり)、在宅で暮らすことを選んだ場合も在宅医療を受けることができます。たとえば慢性的な疾患があっても、病院で徹底的に治療するのではなく、在宅で出来ることをする決意をするなどのケースです。
Q2.どんな病気やどんな状態になったら在宅医療を受けることができるのですか?
病気の種類によって在宅医療を受けることができるかどうかが決まるわけで はありません。たとえば病院から退院を余儀なくされ、在宅医療を「受けざるを得なくなった」という場合もあるかもしれませんが、本来の意味で言えば、通院することが難しくなるという状態になった場合と本人や家族が「在宅での医療を望む」場合に、在宅医療を受けることができると言えるでしょう。慢性的な疾患がある場合は、すべて在宅医療の対象になります。
Q3.在宅医療を受けるための基準になるような疾患があるのですか?

ありません。病気の種類によって、在宅医療を受けることができたり、できなかったりするわけではないのです。慢性的な疾患がある場合は、すべてが在宅医療の対象になります。

たとえば、定期的に通院が難しくなるということは自力歩行が困難になることなので、全体的な身体状態がポイントになります。また病院で治療しても完全に治ることがない疾患があるということも基準になります。具体的には癌や脳梗塞、認知症、骨折後の整形疾患、呼吸器の疾患などが対象になります。
Q4.在宅医療に適した病気があるのでしょうか?

慢性的な疾患は、すべて在宅医療の対象になります。たとえば末期癌、脳卒中後遺症、骨粗しょう症、肝硬変、特定疾患(特別な難病など)、老衰など多種多様な病気があります。

在宅医療は、総合病院で行なう医療とは違います。総合病院は、さまざまな専門診療科目に分かれ、専門医師が専門診療を担当します。また大掛かりな専門的医療機材もあります。医師を助ける多くの看護師、看護助手がいます。専門的な病気を専門的に治療するのが病院です。

在宅医療は、訪問診療するひとりの医師の経験的な診察が大きな割合を占めています。その医師を中心にして、訪問看護や訪問介護、薬局などがチームを組んで、穏やかで安定した生活を続ける事ための総合的な支援を行なうということになります。

従って病気の種類を問わず、在宅医療を受けたいと願う場合は、訪問診療を受けることができますが、一方、特別な病気を治療するためという場合には、その特別な病気を治療できる医師が担当しない限り在宅医療には適しません。

Q5.ある程度元気な状態でも在宅医療を受けることができるのですか?
「ある程度元気な状態」の判定が難しいのですが、少なくとも、何の病気もない、たとえば30歳の方が在宅医療を受けることはできません。病院へ行くのがめんどうだから在宅医療を選ぶのではないからです。しかし、ある程度高齢になってくると、それぞれの方にはそれぞれの慢性的な疾患があり、希望すれば在宅医療を受けることが可能です。ある程度元気だとお考えでも、早めは早めに相談してみてください。
Q6.在宅医療では、どんなことをしてくれるのですか?

全身状態の主治医として「内科」の訪問診療について申し上げますと、おおよそ2週間に1回の割合で訪問診療に来てくれます。緊急の時に往診に来てくれる先生もありますし、電話で相談に乗ってくれる先生もいます。

また、医師だけでなく、訪問看護や訪問介護、訪問リハビリなどとの連携もアドバイスしてくれます。入院を希望する場合は入院先の病院を探してくれます。

具体的には、内科的な診察、さまざまな慢性疾患に対する指導・管理・投薬加療をしてくれます。薬の種類によっては注射や点滴・中心静脈栄養の管理をしてくれます。腹膜透析の管理・酸素療法・経管栄養(胃ろうの管理)・人工肛門の管理・人工膀胱の管理・人工呼吸器の管理・尿道留置カテーテルの管理・気管切開部の処置・心ペースメーカーの管理・褥瘡(床ずれ)の処置、看取りを前提にしたターミナルケアにも対応してくれるのが一般的です。
Q7.在宅医療にも種類があるのですか?
在宅医療を担当するのは、病院(病院内の在宅担当部署)、診療所(主に内科)、歯科診療所、訪問看護ステーション、調剤薬局などがあります。これらが単独で在宅医療を支えているのではなく、連携して行います。また訪問リハビリや訪問の栄養指導を行なう機関もあります。
Q8.人工肛門などの医療的な処置もしてもらえるのでしょうか?
人工肛門などの医療的な処置もしてもらえます。そのほか人工呼吸、気管切開、経管栄養、経静脈栄養、導尿カテーテル、酸素療法などを施行中でも在宅医療は可能です。訪問医師だけではなく、訪問看護師や訪問ヘルパーと協力して管理していきます。
Q9.在宅医療で検査をしてもらえるのでしょうか?
病状に変化があった場合には医師の判断により、随時、必要な検査を行なってくれます。採血や採尿は、どの医師もしてくれますが、心電図、エコーなどは、持ち運び式の機器を用意している医師が限られます。レントゲンやCT、MRIの検査は、在宅では行なうことができませんから、通院により他院に依頼することになります。その他、さまざまな検査について、希望がある場合は、相談することになります。
Q10.在宅医療でどこまでの医療処置をしてもらえるのでしょうか?
在宅医療は、基本的にはすべての年代のすべての病気に対応する医療です。しかし病院のように設備が整っているわけではないということと、訪問医師の考え方や技量、そして訪問医師だけではなく総合的なチーム力(介護も含む)によって違ってくると思います。具体的に担当する医師に相談してみてください。
Q11.在宅医療で診てもらえない病気はあるのでしょうか?

在宅医療を受ける方の主な基礎疾患は、以下のようなものが上げられます。
1.脳血管障害後遺症、多発性脳梗塞、脳血管性認知症
2.老人性認知症
3.老人性運動器疾患(骨粗しょう症、圧迫骨折、変形性関節症、大腿頸部骨折) および、間接リュウマチ
4.神経難病(パーキンソン病、筋ジストロフィー、筋萎縮側索硬化症、脊髄小脳変性症)
5.悪性腫瘍末期
6.慢性呼吸不全
7.合併症を伴った糖尿病
8.老衰

つまり高齢者が持っている疾患については、ほとんど在宅医療で診る事ができます。ただし、医師によっては特定疾患を診ない場合もありますから、担当医師にしっかりと聞いてください。また広い観点では高齢者だけではなく、すべての年齢のすべての症状に対応するのが在宅医療ですから、どうぞ、個別に相談してみてください。

Q12.薬は処方してもらえるのでしょうか?
薬は、もちろん処方してくれます。院外処方箋を発行することになりますから、その処方箋を持って最寄りの薬局で薬を購入してください。かかりつけの薬局がない場合や、薬局に行くことが困難な場合は、担当医師に相談してみてください。在宅医療チームとして連携した薬局を紹介してくれる場合があります。
Q13.薬は自宅まで届けてくれるのでしょうか?

最近、ファクスを送ると薬を自宅に持ってきてくれる、いわいる「宅配サービス」をする調剤薬局があります。しかし病院に行くのがめんどうだから在宅医療を受けるという意識と同じに、ただ取りにいくのが面倒だから持ってきてもらうということではなく、薬剤師という専門職に、薬剤管理をしっかりとしてもらうという意味で、在宅医療を選ぶと同じように薬局を選ぶことをお勧めします。

医師からの処方箋を受けた後、数日後に薬剤師が在宅を訪問し、薬を間違えずに飲みやすいように一包化してくれたり、薬が変わった場合の説明をしてくれたり、前回の薬の残りを整理してくれたりします。このことに対しては、在宅薬剤管理指導料350円(1回)が必要になります。月2回で700円が平均的な費用です。
Q14.在宅医療(訪問診療)と「往診」との違いを教えてください。

広い意味で医師がご自宅に来て診察することは、すべて在宅医療ですが、この検索サイトで定義する在宅医療は、病院や診療所や訪問看護などが一体になって、在宅で暮らす方を計画的に診療していく訪問診療のことです。その中には定期的な訪問診療もあれば、緊急に来てくれる訪問診療も含まれます。ご本人の生活に365日34時間、寄り添ってくれるのが在宅医療(訪問診療)であり、往診と対比する言葉としては訪問診療がいいかもしれません。

「往診」とは、医師が在宅に行って病気を診る行為の意味ですが、いつでも来てくれることを意味するわけではありません。また総合的に希望者の病状を把握した上で診察してくれるとも限りません。近くの診療所やクリニックに「往診をお願いします」とお願いしても、来てくれる場合と来てくれない場合があります。
Q15.どうやって在宅医療の医師を探したらいいのでしょうか?

現在、定期的に受診している近隣の診療所があれば、まず、その医師に聞いてみましょう。在宅医療を受け持ってもらう医師との関係で一番大切なことは、信頼関係を持てるかどうかです。少しでも今まで顔見知りの近隣の医師がいれば、そこから聞き始めるのがひとつの方法です。そのほか近くの総合病院の医療相談室、地域の訪問看護ステーション、医師会、地域ケアプラザ、ケアマネージャーに聞いてみるのも方法です。

遠くに素晴らしい評判の医師がいても、来てくれないと在宅医療を受けることができません。まず、近所から探し始めることが大切です。実はそのために全国すべての方々に気軽に利用してもらえるようなインターネット上の在宅医療担当可能医療機関の検索サイトがこの「在宅医療ステーション」の役割となるわけです。
Q16.退院後のことで心配で、在宅医療を考えた時に誰に相談すればいいのですか?
まず入院している病院の主治医に相談してみましょう。またその病院の医療相談室も相談に乗ってくれます。その他、普段、風邪などで通っている診療所の医師、地域の訪問看護ステーション、医師会、地域ケアプラザ、ケアマネージャーに聞いてみるのも方法です。
Q17.在宅医療の先生の「善し悪し」を見分けるポイントとかを教えてください。

医師の「善し悪し」を簡単に見分けることは難しいと思います。「善し悪し」の基準も受ける患者にとっても違うでしょう。最終的に一番大切なことは信頼関係ですが、選び始める時点で信頼できるかどうかは分かり難いでしょう。どんなに素晴らしい医師でも、在宅医療の場合は在宅まで来てもらわないと成り立たない関係ですから、選択肢はそんなには多くないかもしれません。

医療技術はもちろん大切でしょうが、在宅で高度医療ができるわけではありません。不安だらけの家族の話をじっくり聞いてくれて、人間的な対応をしてくれる医師がまずはいいのではないでしょうか。

ホームページをもっている医療機関は、それも参考にしてみましょう。具体的に緊急出動した回数まで記載しているところもあります。
Q18.一人暮らしでも在宅医療に来てくれますか?
大丈夫な場合がほとんどですが、患者の状態について家族がしっかり把握できるように情報交換の場所や時間をしっかりと決めるといいと思います。
Q19.在宅医療を受けるときは、誰か家族が立ち会った方がいいのですか?
毎回、必ず立ち会わないと在宅医療を受けることができないということはありません。距離的なことや、時間の都合など、家族にはそれぞれ事情があるわけですから。ただ訪問診療を担当してくれている医師と情報交換をして、信頼を深めるためにも、立ち会う機会は少しでも設けた方が良いと思います。
Q20.家族が不在の時でも、在宅医療を受けることができますか?
家族不在の時に、家族の家にいる患者を診察するためには、家の鍵を開けて入室しなければならないことがあるかもしれません。その際は、鍵を預けることも検討しなければなりません。医療機関によって考え方が違うと思いますから、よく相談してください。
Q21.在宅医療の診療は、いつ来てくれるのですか?
計画的定期的に月2回訪問診療を行なう場合は、曜日や時間を決めることになります。訪問診療医師の都合もありますから、相談して決めてください。
Q22.在宅医療の診療日や時間の希望を伝えることができるのですか?
在宅医療の診察日や時間の希望を伝えることは、もちろんできますが、希望どおりになるかどうかは分かりません。訪問診療を担当する医師は、患者お一人ではなく、何十人も担当している場合が多いので、定期的に巡回するコースを決めて、そのスケジュールに添って、なるべく合理的に巡回できるように曜日や時間を決めています。移動時間が少なければそれだけ、診療時間に時間を取ることができます。相手の立場も考えながら、ご相談ください。
Q23.在宅医療の診療日を変えてもらうことができるのでしょうか?
診療日の変更は可能でしょうが、いつも患者や家族の希望通りになるとは限りません。医師は一人の患者の専属ではなく、多くの患者をかかえて地域を巡回しています。相手の立場も考えながら、ご相談ください。

(仮)在宅医療とその他の医療機関の関係について

Q24.病院の退院後に在宅医療を受けるためには、どうすればいいのでしょうか?

入院中、病院の主治医の医師に、退院後の在宅医療を希望することをはっきりと伝えてください。主治医の医師が在宅医療を担当してくれる医師を紹介してくれるかもしれませんし、相談の方法や窓口を教えてくれるかもしれません。

病院が在宅医療の医師を紹介してくれない場合は、さまざまな方法でご本人やご家族が在宅医療を担当する医師を探すことになります。病院の主治医は、退院時には在宅医療を担当する医師宛に、病院での治療の経過などを記録した「診療情報提供書」を書いてくれます。

在宅医療の医師の中には、入院中に病院を訪問してくれて、退院時の医師と家族との話し合いに参加してくれる場合もあります。
Q25.病院の入院中に主治医の許可なく退院してもいいのでしょうか?
どのような診療を受けるのかは、受ける側の自由ですから、極論すれば主治医の許可がなくても退院は可能です。受けた治療の分の医療費を払えば、法的には何の問題もありません。しかし、近隣の病院であればなおさら、互いの信頼関係を損なうような「けんか別れ」の退院は避けたいものです。主治医とよく相談して決めてください。
Q26.病院で治療を継続することを止めて、在宅医療に切り替えることは出来ますか?
高齢期の疾患の慢性疾患の場合、いくら治療しても充分には改善しない場合もあります。患者にとって、治療を継続することが大切なのか、在宅での生活が大切なのかをよく考えて結論を出してください。患者に意思がある場合は、それを尊重することも大切なことだと思います。多くの高齢者は、高度な治療は望んではおらず、また8割以上は自宅での生活を望んでいるからです。
Q27.在宅医療を受けていて、病院に戻ることはできますか?

どのような医療を受けるかは、すべて患者や家族の自由ですから、もちろん在宅医療を受けていて、再び病院に戻ることも可能です。在宅医療を受けながら入院して、そのまま病院で最後を迎える場合の方が実際は多いかもしれません。実際、しっかりとした看取りが出来る在宅医療機関が少ないのも現実です。

しかし、退院後、再度の入院に対して、病状によっては難色を示す病院もありますから、よく相談してみてください。
Q28.病院に入るたいときは、紹介状を書いてもらえますか?
紹介状を書いていただけない場合はないと思います。ただ紹介状の内容に決まりはありませんから、医師によってかなり内容(詳細度)は違います。しっかりとお願いしましょう。
Q29.在宅医療を受けながらも、他の病院や診療所へ通ってもいいのでしょうか?
もちろん大丈夫です。専門性の高い疾患の場合は、他院の専門医と共同して、診療を行うことが望ましい場合もあります。今までかかっていた病院や専門性の高いクリニック、在宅担当の訪問医師とよく相談してください。
Q30.在宅医療と同時に訪問介護を受けてもいいですか?
もちろん大丈夫です。逆に訪問介護と一緒に支えていかなければならない場合が大半です。医師やケアマネージャーに相談してください。
Q31.在宅医療と同時に訪問看護を受けてもいいですか?
もちろん大丈夫です。逆に訪問看護と一緒に支えていかなければならない場合が大半です。連携してチームを作っている医師と訪問看護もありますから、医師やケアマネージャーに相談してください。
Q32.在宅での医療と看護、介護はどのように選べばいいのでしょうか?

医療、看護、介護などがバラバラに支援するのではなく、連携していくことがきわめて大切なことになります。まず在宅医療機関を探して、看護や介護について相談していくことを考えましょう。あるいは先に看護や介護の事業所の支援を受けているのでしたら、逆に在宅医療の医療機関を尋ねてみましょう。

まったく選ぶすべがない場合でも、この「在宅医療ステーション」で住所から検索して、近くの在宅医療機関に相談することから初めてみましょう。何度も相談しながら、信頼関係を作っていって欲しいと思います。

(仮)コストについて

Q33.在宅医療の費用はどれくらいでしょうか?

在宅医療の医療費は、地方も大都会も全国まったく同一の、国の決めた料金体系に従っています。

月に2回以上定期的に訪問し、365日24時間体制の「かかりつけ医」になってもらう基本料を「在宅医療総合管理費」といって、一般的には4200点(1点10円)です。それに加えて、定期的に決められた訪問診療が830点です。これ以外に緊急に往診した場合は650点で、これは時間帯よって2倍、3倍となります。これらを合算したのが、1ケ月の医療費になります。

医療保険の自己負担金が1割の場合は、たとえば月2回の定期訪問診療、2回の緊急の往診を受けた場合で8,000円前後です。この他、処置をした場合など診療内容によって追加費用が必要ですが、上限が自己負担の上限は1万2千円と決まっています。

また、在宅医療を受ける場合は、当然、介護保険を使った介護サービスを受けることも加わります。たとえば要介護3で、ほとんど限度額いっぱいのサービスを受けた場合の自己負担額は2万6,000円程度になりますから、医療保険と介護保険を使ったサービスを合わせると4万円弱の費用が必要となります。

目安になる一覧表を示しますので、参考にしてください。

Q34.お金にゆとりがないのですか、在宅医療を受けることができるのでしょうか?

世帯の収入が一定基準以下になった場合(低所得者)、あるいは被保険者の属する世帯の収入が著しく減少した場合(所得激減)、あるいは災害により住宅等に損害を受けたとき(災害)などの医療費の減免措置があります。

しかし、在宅医療に関わる医療費そのものを減免する制度はみつけることができませんでした。まずは、最寄りの役所や医師会の「在宅医療相談窓口」で相談してみてください。
Q35.在宅医療を安くする方法はないのでしょうか?
医療保険は全国同一の価格であり、また割引することは禁じられていますので、値引きという意味で「安くする」ことはできません。ただし、1級・2級の障害者の方に対する心身障害者医療費助成制度等、さまざまな助成制度(実質、医療費負担がなくなります)があります。高齢者で慢性疾患がある場合は、該当する場合も多いので、検討してください。
Q36.在宅医療の費用の上限はあるのですか。かかった分だけ払うのでしょうか?
在宅医療には上限が定められています。月額で12,000円です。それ以上、支払うことはありません。ただし、65歳未満の方、高額所得の方など医療保険の自己負担割合が3割の場合は、8万円が上限となります。
Q37.支払い方法は、どうすればいいのですか?
在宅医療を担当する医療機関によって方法が違います。月末に当該月の請求書を発行して、次の訪問日に現金で集金するところもあれば、銀行口座から引き落としにしているところもあります。直接医師が現金を受け取ることは少ないようです。それぞれの医療機関にお問い合わせください。

(仮)緊急時について

Q38.緊急時には、どこに連絡すればいいのでしょうか?
それぞれの医療機関で取り決めがありますので、それに従ってください。たとえば、担当する訪問医師が直接携帯で応対する場合があります。深夜でも枕元に数台の携帯電話を置いて対応してくれる医師がいます。また数名の医師が交代で緊急電話を受けている場合もあります。また看護師が電話を取る場合もあります。あるいは、電話をしてもなかなか通じない医療機関があることも事実です。緊急時に、しっかりと応対してくれることは、非常に重要なことですから、医療機関を決めるときの目安にしてください。
Q39.緊急時には、救急車を呼んだ方がいいのでしょうか?

生死を分けるような状態と判断し、しかも延命を望む場合は、ためらわずに救急車を呼んでください。救急車を呼ぶべきか、病院へタクシーで行くべきか、よくわからないという場合は、まずは在宅医療を担当している医療機関へ連絡してください。また地区によっては、救急相談センターを設置しているところもあります。

もう、これ以上の医療行為はしないと決めていても、目の前で苦しんでいる状態を見ると、見ていることに耐えられず救急車を呼んでしまう方もいらっしゃいます。

在宅医療で患者を支えている時の家族の正念場です。いざという時に動転しないように、日頃から担当医師と状況を想定して何度も相談しておきましょう。
Q40.緊急時に病院へ運んでもらいたいときには、病院を紹介してくれるのですか?
紹介してくれます。在宅医療機関にも種類があって、後方支援病院、今までのかかりつけの病院、もしくはご希望の病院への入院を手配します。しかし緊急性やベッドの空き状態などから、他の病院になる場合があります。
Q41.緊急時に運んでもらう病院を予め決めることはできないのですか?

予め決まっていることが望ましいと思います。まず生死に関わるような重篤な状態で、延命を希望する場合は救命救急隊員の判断で、救命救急センターや高度救命救急センターへ搬送されます。この場合は、病院を指定することはできません。その時々、救命にベスト病院が選択されます

生死がその場で左右されないような状態と判断された場合は、その他の病院になりますが、そのときに「指定する病院はありますか」と聞かれると思います。その時に搬送先の病院のめどがあることは望ましいです。たとえば全体的には在宅医療の訪問医師に主治医になってもらいながら、脳梗塞の既往歴があり、その専門的な診断については総合病院の専門医師に担当してもらって、いざ脳梗塞が再発したときは、その総合病院を搬送先に指定できるように、日頃から専門医師と連携しておくといったことです。

しかし、そうしていても、搬送先の病院のその時の都合で断られる場合もありますので、まず、何を優先するのかを判断するしかないと思います。そのような事態を想定して、在宅医療を担当してもらっている医師に日頃から相談しておくとよいでしょう。
Q42.緊急時には365日24時間いつでも来てくれるのでしょうか?
在宅医療を受ける事を決めた場合、在宅医療総合管理の中で、医師は365日24時間の対応を求められています。しかし現実的には、すべての場合、医師が駆け付けてくれるとは限りませんし、駆け付けなくても解決する場合もあります。ある在宅専門の医師によると6割ぐらいは駆け付けているが、それ以外電話による相談で解決、あるいは服薬指示となっています。これがかなり良心的な数値割合ではないかと思われます。ほとんど駆け付けてくれない医師もいるようですから、いろいろ情報を得ながら医療機関を選んでいきましょう。

(仮)看取りについて

Q43.在宅医療では、終末期の看取りまで診てくれるのでしょうか?

在宅で最後を迎えるということは、在宅医療を受けることのきわけて大きな目的でもあります。高齢者の方の終末期をデータで見ると実に八割以上が病院で亡くなっているのですが、本当は逆に八割以上の方が住み慣れた自宅で最後を迎えたいと願っているということです。

在宅医療の大きな目的は、繰り返しになりますが、住み慣れた自宅で最後を迎えるということでもあります。担当する医療機関に在宅での看取りの意思をはっきりと伝えて、一緒に準備していきましょう。
Q44.最後は、結局、病院に緊急搬送されるのでしょうか?
最後の瞬間を迎えようとしているときに病院に緊急搬送するかどうかは、ご本人や家族の意思です。在宅医療を受ける大きな目的は、ご本人が住み慣れた自宅で最後を迎えることにあるのですから、その時になっても慌てないように、よくよく担当する医療機関と相談しておいてください。最後と思われても救急車を呼ばずに、自宅での最後を、勇気を持って選択しましょう。
Q45.癌末期の痛みのための麻薬とかも処方してくれるのでしょうか?

自宅でも麻薬の取り扱い資格を持っている医師が病院と全く同じように使用することができます。

最近、使い易い麻薬が続々と登場しています。速効性を発揮する液体の麻薬や、安定した血中濃度を保障する貼り薬の麻薬などがあります。肉体的な痛みには、そのような麻薬を使用します。まれに麻薬では効きにくい神経性の痛みもありますが、これはペインクリニックと連携して、神経ブロックなどを検討すます。心の痛みなどは、在宅だからこそ和らげることができる可能性が高いものでしょう。
Q46.看取りとは、どんな状態のことでしょうか?

看取りとは、近い将来に死に至ることが予見される方に対して、その方の生きていることを尊厳しながら、最後の瞬間までの終末期を見守っていくことです。看取り介護は、もちろん、ただ見ていることではありません。その方の身体的、精神的な苦しみを出来る限り軽減し、穏やかな日々が過ごせるようにお手伝いをします。

お食事を取る事が難しくなると、目に見えて痩せてきます。2週間から1ヶ月程度の期間呼吸が止まりますが、残された時間が週単位から日数単位になった時の様子は、ほとんどの時間、眠っています。どうぞ、家族のみなさんで見守ってあげてください。
Q47.看取りと、いつ決めればいいのですか?
在宅医療を担当する医師と話し合って決めることになります。医学的見地から回復する見込みがなく、また医療的な対応も必要がないと判断されるときに、医師から相談があるはずです。おおよそ、食事がまったく取れなくなって、手術をして経管栄養(胃瘻など)の選択をしなければ、自然に痩せて終末期を迎えることになります。看取りを選択するということは、人間としての自然な死を選ぶということですから、その後は延命措置をとったり、救急車を呼んだりすることはありません。
Q48.延命処置とは、どんなことですか?

広い意味では、生命を延長させるためのすべての医療処置を言いますが、ここでは、終末期、回復の見込みがない状態の時に、死亡時期を「遅らせる」医療行為のことを説明します。まず口からご飯を食べることが出来なくなった時に、点滴や中心静脈栄養、経管栄養など、さまざまなチューブを通して栄養を入れることがそれに当たります。また輸血をすることや人工呼吸器による酸素の吸入などもそうです。いったん延命の処置をした場合、それを家族の医師で一方的に中止することはできませんので、延命処置については医師とよく相談してください。

心臓や呼吸が止まったときに、心臓マッサージで心臓を再び動かそうとしたり、人工呼吸により脳に酸素を送ったりする心肺蘇生法が究極の延命処置と言えます。この件についても、充分に相談して決めてください。動転して救急車を呼んだりする場合も多いものです。

一方、できる医療処置は何でもして、できるかぎり延命して欲しいというご家族もいます。医師は、家族の意思を尊重しながらも、医療的に意味のない治療は行なわないという倫理観を持っているはずで、家族と対立する場合もあります。これらは訴訟にもなりかねない事態も予想されますから、双方でよくよく相談して、信頼関係の上で、決定していきたいものです。
Q49.延命処置をしないといつ決めればいいのですか?

延命処置をしないと決めることは、とても勇気のいることで、時期も難しいものです。ご本人が元気なころから「延命処置はしないでくれ」と明言していたにもかかわらず、家族の医師で人工呼吸器をつけたり、経管栄養の手術をしたりすることがよくあります。ご本人がどのように人生の幕を下ろすかということは、ご本人の意思だけでは決められず、家族の都合で左右したりもします。

終末期に延命措置を施すというは、死期をのばすという意味です。それがご本人にとってどういう意味があるのか、あるいは家族にとってどういう意味があるのか、よくよく相談してください。
Q50.延命処置をしないといったん決めても、変更してもいいのでしょうか?
延命処置をしないといったん決めても、目の前でご本人が苦しそうにしている様子を見て、処置をお願いするご家族もいらっしゃいます。その場合は、延命措置をせずに看取りを行なうという双方の取り決めは破棄して、人工呼吸器を装着することもあります。変更していいとか悪いとかいう問題ではなく、ご本人のためにどうすることが最善で「自然」なのか、充分、担当する訪問医師と相談しましょう。
Q51.看取りの時に、急変して苦しそうなので救急車を呼んでもいいのでしょうか?

看取りと決意したのなら、救急車は呼ばないで、ご本人と一緒に、在宅で最後の時を迎えましょう。その時、確かに苦しそうかもしれませんが、それは一時の苦しみです。もし救急車で救急救命センターに搬送され、人工呼吸器等を装着することになり延命したとしたら、その苦しみが長く続くかもしれませんし、そもそもご本人が望んだあり方ではないでしょう。

在宅医療を受けているわけですから、救急車を呼ぶのではなく、在宅医療を担当している医師に連絡して相談しましょう。
Q52.いざ臨終間際というときに、医師はかけつけてくれるのでしょうか?

臨終の瞬間に訪問医師が立ち会えれば理想的ですが、現実的には、その瞬間に居合わせることは難しく、呼吸停止後の訪問が一般的です。したがって、在宅においては家族が臨終に立ち会う覚悟が必要です。

臨終間際と感じた場合は、予めの取り決めに従って医師に連絡し、呼吸停止あと、医師に来てもらって死亡診断書を書いてもらいます。大切なのは不安になったときに医師と連絡がとれることです。深夜の呼吸停止の場合では、次の日の朝の訪問になる場合もありますが、法的には問題ありません。看取りになる前に、訪問医師と充分話し合っておきましょう。
Q53.亡くなった場合、どうすればいいのでしょうか?
在宅医療を受けている場合は、まずは訪問医師に連絡してください。医師がどうすればいいのか、教えてくれます。看取りや延命治療に対して何の取り決めもしておらず、とにかく救命を望む場合は、救急車を呼ぶことになります。その場合は、救急隊員が出来る限りのことをしてくれます。

(仮)その他

Q54.在宅医療の医師は、医療以外のことも相談に乗ってくれますか?
在宅医療の医師は、医療以外のことも相談に乗ってくれます。ご不安なことは相談してみましょう。しかし、たとえば財産や相続の相談などは医師が専門ではありません。医師は、さまざまな経験から適切な相談相手を紹介してくれるはずです。また、このようにさまざまな相談に乗ってくれる医師こそが、素晴らしい在宅医療の訪問医師ともいえるでしょう。さまざまな評判を参考にしながら、信頼できる在宅医療の医師を選んでください。
Q55.在宅医療のよい先生を教えてください。

この「在宅医療ステージョン」は、医師をランク付けしている検索サイトではありません。在宅医療が日本の医療を支える素晴らしいものだということを多くの方にお伝えし、在宅医療を求める方に最適な在宅医療機関を紹介するお手伝いをするためのものです。出来る限り、それぞれの在宅医療機関が分かるような情報を集めていきますので、その情報の中からご判断ください。

まず対象者の在宅の郵便番号を入力し、次に番地入力すると、その場所に近い順番から在宅医療を行なっている医療機関が検索できるようになっています。名前を調べ、その上で、その医療機関のホームページを見たり、また直接周辺の病院や地域ケアプラザなどに聞いたり、近所の方々に相談しながら、どうぞ、皆様にとって最適な「よい先生」が見つかることを願っています。
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